10分でわかる!漸化式!
こんにちは。くろうと!です。
先日書いた記事『10分でわかる!簡単麻雀ルール』ですが、私のインスタグラムに投稿したところ、反応があまりにもイマイチだったので、今回はそのリベンジ企画としてこの記事を書くことにしました。
実は、コロナ禍により授業内容に支障が出ている可能性のある物理の、力学部分を解説する、『20分で分かる!高校物理力学』を途中まで書いていたのですが、記事を書くにあたって個人的な問題でかなり厳しいものがあり、急遽こちらに変更させてもらいました。
まぁ、漸化式ってあれですよね。みんながよく分かってない的なベイベーのって事で、今回は漸化式の解説をさせていただきます。
また、この記事で扱っている例題、問題は全て、自分が去年通っていた某塾様のテキストに載っていた問題です。無断使用です。はい。
この記事はあくまで、理数系志望の浪人生が自分の知識を整理するために文字に書き起こすことを目的としたものです。
間違っている点、拙い点などがありましたら、遠慮なく私にご連絡ください。
作者の受験合格が1歩近づくかもしれません。
では、漸化式についてまとめていきましょう。
漸化式とは
漸化式とは、前の項の値から後ろの項の値を定める関係式のことを言います。
例えば、
こんな感じのやつです。
数列の第n項目と第n+1項目の関係を式に起こした感じですね。
こいつらにはいくつかパターンがあります。
順番に見ていきましょう。
1.等差数列の漸化式
こんな感じのやつです。
a_(n)の後ろに+dが付いてるだけの形です。
例題を使ってみていきましょう。
冒頭のやつですね。
この形は非常に簡単です。
この式が言わんとすることはつまり、a_(n)を+2すると、次の項a_(n+1)になるということです。
図で表すとこんな感じ
そのままじゃないか!と思ったあなた!
そう、そのままなんです。まだ大して難しくないんです。
上の問題はa_(1)=1となっているので、
となるのが分かります。
これは、初項を1、公差を2とした等差数列なので公式によって
と変換出来ます。
あとは計算するだけです。
ね?簡単でしょ?
2.等比数列のやつ
こんな感じのやつです。
これはa_(n)にrを掛けてるだけの形ですね。
例題を使ってみていきましょう。
この形も非常に簡単です。
この式が言わんとすることはつまり、a_(n)を×2すると、a_(n+1)になるということです。
図で表すとこんな感じ
これもまた、そのままじゃないか!と思ったことでしょう。はい。そのままです。
上の問題はa_(1)=1となっているので、
となります。
これは初項1、公比2の等比数列なので公式によって
と変換できる訳です。
簡単でしょ?
3.階差数列のやつ
次のパターンはちょっとややこしいです。
1のパターンに似てますが、後ろの数字が一定ではなく、変数nを用いた式になってるパターンです。
例題を使って見てみましょう。
このパターンの漸化式を解くコツは、この漸化式が階差数列だということに気付くことです。
階差数列とは、ひとつの数列a_(n)の各項の差が、別の数列b_(n)で示せるような数列のことを言います。
パターン1では一定だったa_(n)とa_(n+1)の差が、今回は数列b_(n)となり規則的に変化していく。
これを式にすると
となります。
あら簡単。
つまり階差数列の公式は
ということになりますね。
上の例題をこれに当てはめると、
として、
という感じに変換して解くことになります。
厳密に言うと、
これはn≧2の時の式なので、
これにn=1を代入して
n=1の時でも成立するかを確かめなければならないのですが、ここでは詳しくは書きません。
4.漸化式の中の漸化式
パターン4は、漸化式と言ったらこれ!っていうくらい、漸化式の問題で1番出てくる王道の形です。
それがこれ
パターン1と2が融合したような形です。
とりあえず例題を見てみましょう。
解き方は、パターン2のような等比数列に変換して解くのですが、どうしても後ろについてる定数+1が邪魔で、等比数列の公式に落とし込むことができません。
どうすればいいでしょうか。
まず考え方として、パターン2のような形に変形するのを目指します。
つまり、この形です。
この形にしたいけど、後ろについてる+1がとてもとても邪魔です。
なのでどうにかして削除したいのですが、そのために使うのが特性方程式というものです。
特性方程式とは
漸化式中のa_(n+1)とa_(n)の部分を勝手にαに書き換えた式のことで、何故か分からないけどそれだけで漸化式が解けちゃう式のことを言います。
いや理由はちゃんとあるんですけどね
それは解いた後に説明します。
まず、特性方程式を作ります。
そしてαを求めます。
今回の問題の場合、α=(ー1/2)らしいです。
そして、次のような式を作ります。
邪魔な+1を勝手に削除した代わりに、両辺のa_()の後ろにマイナスαを置く。
今回の問題の場合こうなります。
するとあら不思議!
【a_(n+1)+1/2】という数列に関する、パターン2の漸化式が作れました!
後はパターン2と同じです。
こうやって…
a_(1)=ー1なので
こうだ!!
かなり歪な答えですが、これで完答です。
さて、特性方程式ですが、イメージとしては邪魔な+1を両辺に振り分けるイメージです。
なので、実は…
この式を整理し直すと…
と、元の式に戻ってきます。
そうなんです。実はαは、邪魔な+1を綺麗に振り分けられた式なんです。
特性方程式とは、そんなピッタリ当てはまる数字αを探し出すミラクル方程式だったのです。
原理としては、連立方程式を用いて解いていることになります。
+1を削除できる都合のいい数字をとりあえずαと置いて連立方程式を立てることで、邪魔な+1を削除しつつ、漸化式を解く上で必要なa_(n+1)とa_(n)を残した絶妙な式を得ることが出来ていたんです。
特性方程式については説明が難しく、私自身の説明も下手なので、このくらいでしか説明できません。
まぁ正直ここまで考えながら解いてる受験生もいないと思いますし、特性方程式の原理までは理解せず、その方法だけ覚えて漸化式は解いているという受験生の方が多数派だと思うので、ここまでしっかり理解する必要はありませんが
こういう原理は知っていると忘れにくくなるので個人的にはただ覚えるのでは無く、何が起きてるのかをしっかり理解出来た方が、何倍も数学が楽しいと思います。
さて、基本的な漸化式の説明を終えた訳ですが、最後に受験でよく出てくる漸化式を応用した問題を、2問紹介しようと思います。
下の方に解法を載せておくので、チャレンジしてみたい人は1度答えを見る前に挑戦してみるといいかもしれません、
1.b_(n)に変換しb_(n)について解いたあと、それをa_(n)に直す方法
だいたいこの手の問題は、b_(n)=○○とするみたいな道筋が提示されていることがほとんどです。
2.後ろについてる(nの式)の形が、d^nの問題
(ヒント:6^nー1の指数部分をどうにかして削除し、パターン4の形に落とし込む。)
答え
1問目
2問目
以上でこの記事は終わりです。
一見難しそうに見える数列ですが、何が起きているのか?と、その公式がどういう意味なのかさえ理解してしまえばすぐにでも解けるようになります。
みなさんも頑張ってみてくださいね。
ではまた✋